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【愛とためらいの哲学】幸せな恋愛をするためには、愛する技術が必要だ。

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「付き合い始めたころは楽しかったのに、だんだんと付き合うのが苦しくなってきた。」「相手が浮気しているのではないかと思って不安になる。」

 

人間にとって恋愛は不可欠なものです。恋人に会うだけで心がウキウキしたり、好きな人と話すだけで嬉しい、といったことは誰しもが経験しているかと思います。

 

しかし、恋愛がいつも幸福をもたらしてくれるかというと、そうではありません。どれだけ幸せな恋愛であっても、嫉妬、依存、失恋などの要因があれば、一転して苦しいものになってしまいます。私たちはどうすれば好きな人と幸せになれるのでしょうか。

 

今恋愛に苦しんでいる人や、幸せな恋愛がしたい人にお勧めの本を紹介します。

愛とためらいの哲学 (PHP新書)

愛とためらいの哲学 (PHP新書)

 

 

 

 

1 愛とためらいの哲学 ってどんな本?

なぜ、あなたの愛は幸福をもたらさないのか……。どれほど幸せな恋であろうとも、嫉妬や依存、失恋など、様々な要因により一転して苦しいものになってしまう。思うようにならない他者と生きるなか、幸福な愛とは、どうすれば実現が可能なのだろうか。大切なのは「いかに愛されるか」ではなく、「いかに愛するか」を学ぶことであると著者はいう。愛とは能力であり、技術であるというのだ。では、私たちはいかに人を愛するべきなのか。人を愛するというのは、そもそもどういうことなのか。アドラー、フロム、三木清など、多くの賢人たちの智恵を手掛かりに、アドラー研究の第一人者であり、ギリシア哲学を専門とする著者が語る、待望の恋愛論

amazon 内容紹介より

 

 

アドラー心理学の第一人者、岸見一郎氏による恋愛論です。

岸見一郎氏というと、数年前に発売されて大ブームを起こした著作、「嫌われる勇気」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

↑ 学生時代に読んで衝撃を受けた一冊です。

 

本書では、アドラーをはじめとした様々な哲学者の知恵を引用しつつ「幸せな恋愛とは何か」が論じられています。

 

章の構成は以下の通り。

第1章 なぜあなたの「恋愛」は幸せをもたらさないのか
第2章 結婚と子育ての困難について
第3章 人を愛するとはどういうことなのか
第4章 幸福になるための「愛する技術」

第1章と第2章では、恋愛が幸福をもたらさないものになってしまう理由を説明しています。第3章では「人を愛すること」とはどういう事なのかを論じます。第4章では、実際の例を挙げながら、パートナーとどのように接するべきかが書かれています。

 

 

2 そもそも恋愛はどうして難しいのか?

好きな人ができて、相手に告白して、相手も自分のことを好きだということが分かった、めでたしめでたし。

…とはなりません。恋人という関係はゴールではありません。

関係を持続させるためには互いの努力が必要です。

 

たとえ互いの気持ちを確認し付き合いが始まったとしても、その後に考えや感じ方などで行き違いが生じたり、どちらかが、あるいは双方が他の人に関心を移したりするというようなことがあると、最初の頃のような情熱は急速に冷めてしまいます。 -p10より

 

付き合い始めは楽しかったのに、だんだん相手に不満がたまってくると、恋愛は喜びよりも苦しみをもたらすことになります。恋愛が苦しみに繋がるのは、互いの関係性を継続できないことが原因だと言えます。

 

 

 

3 愛は技術である。愛されるよりも相手を愛そう。

では、お互いの関係を継続させ、幸せな恋愛をするためには何をすればよいのでしょうか。

 

例えば、彼氏が突然LINEを返さなくなったとします。

ある人は「彼氏の連絡が疎遠になったのは自分の魅力が足りないからだ!」と考えて、自分磨きにいそしむかもしれません。あるいは、「彼氏が浮気しているに違いない!」と考え、相手を疑うようになるかもしれません。

 

原因が自分にあると考えた場合を考えます。

自分を変えようとすることは悪いことではありません。しかしこれは、今の自分を否定し「愛されるための努力」を行っていることになります。これが健全な努力であり、努力自体が自分の楽しみにつながっていれば問題はありません。

 

これが行き過ぎると、「自分はあなたの為に努力した、だから自分を愛してほしい。」という、一方的なギブ&テイクを期待する行為になり、強制の意味をはらんでいると考えられます。

 

 

相手を疑ってしまう場合を考えてみます。

疑心暗鬼の原因は「自分を蔑ろにするのは許せない。」という意思であり、感情の発端は「自分」にあります。連絡を取ろうとLINEを何度も送ったり、相手を非難して「自分を愛してほしい」と訴えかけたとしても、同様に愛を強制する行為となっています。

 

 

著者は「パートナーの根本にあるギブ・アンド・テイク」についてこう語っています。

「私は与えられるだけでなく、自分でも相手に与えている」という人でも、「あなたにこれだけのことをしたのだから、その分、返してほしい」と要求するとすれば、これは取引であって、恋愛とは言えません。

-p141より

 

恋愛は取引ではありません。そのために、愛を強制するような行動を避け、”主体的に愛する” ことが重要です。

 

相手を愛する為には、愛されようと無理な努力をしない状態ーつまり、自分に価値があることを知る必要があります。

 

自分に価値があると思えるかどうかが、相手が自分をどう思うかによって決まるということになってしまうと問題です。相手が自分をどう思うかは自分の価値には関係はないからです。

-p146より

 

つまり、愛する技術とは、

  1. 愛を強制せず、取引を行わないこと
  2. 自分の価値を人で測らないこと

とも言い換えられるのではないかと思いました。

 

4 モテテクニックや恋愛指南本より、哲学を読もう

本書ではこの後に、実際に相手と接する中で具体的に何をすればよいのかを論じています。

 

恋愛を「ギブ・アンド・テイク」として捉えず、「相手がどう思っていようとも相手を愛する」というスタンスを身に付けることは、恋愛だけでなく人良い人間関係を築く上でも非常に重要に感じます。難しいけどね!

 

巷にあふれる”モテ”を意識した恋愛指南書よりも、非常に深いメッセージを受け取ることができます。

 

大切なのは、「自分一人でも生きられる。それでも二人でいた方が、同じ経験を共有する喜びを持つことができる」と考えることです。お互いがそう思うことが出来れば、二人は依存関係ではない、理想的な愛の関係を築くことが出来ます。

-p147より

 

つまり、恋愛とは相手や自分を満たすために存在するのではなく、お互いの存在を通じて人生をより良いものにすることなのです。

 

今恋愛で苦しんでいる人や、以前恋愛で苦しんだ経験があって、新たな一歩が踏み出せない人におすすめです。何度も読み直すことで、勇気を貰えるはずです。

 

 

5. こちらもおススメ

※本書の中には、アドラー心理学の基礎を学んでいなければ内容を理解するのが難しい箇所があると感じました。先に「嫌われる勇気」等の書作を読まれることをお勧めします。↓

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え