ゴリラのほんだな

ウホウホ、ウホウホホ

ここはゴリラの書斎

【置かれた場所で咲きなさい】でも咲きにくければ土地を変えてもいいんじゃない?

数年前にTVで取り上げられ、爆発的なヒットになったこちらの本。

 「置かれた場所で咲きなさい」

今でも、大きな本屋で平積みされている光景を見かけることがあります。

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どうもウホウホ。ゴリラちゃんだよ。

 

仕事で精神的に落ち込んでいた時期に購入しました。

今読み返してみると、以前と読了感が異なっていたので記録してみます。

 

置かれた場所で咲きなさい ってどんな本?

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場所で咲きなさい

 

Bloom where God has planted you.
置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです。
咲けない時は、根を下へ下へと降ろしましょう。

「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いていてください」
結婚しても、就職しても、子育てをしても、「こんなはずじゃなかった」と思うことが、次から次に出てきます。そんな時にも、その状況の中で「咲く」努力をしてほしいのです。
どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。
現実が変わらないなら、悩みに対する心の持ちようを変えてみる。
いい出会いにするためには、自分が苦労をして出会いを育てなければならない。
心にポッカリ開いた穴からこれまで見えなかったものが見えてくる。
希望には叶わないものもあるが、大切なのは希望を持ち続けること。
信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておく。
「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練を感謝すること。

amazon内容紹介より)

岡山にノートルダム精神女子大学という大学があります。著者の渡辺和子氏は、その大学の理事長を務めた方です。また、旧日本軍の教育総監であった渡辺鍵太郎の娘でもあります。

 

膵臓がんを患いながら、闘病生活の合間も執筆・TV取材など精力的に活動し、2016年12月に亡くなられました。

 

この本は、キリスト教ヒューマニズムに基づいた生き方や心の持ちようを説くエッセイです。「仕事について」「老いについて」「愛について」と、様々なテーマに対して氏の考え方が綴られています。

 

なぜこの本を読んだのか

1年ほど前、自分に全く向いていない仕事をしていた時期があり、精神的につぶれていた時に読みました。読了後に少しだけ前向きになれた気がしましたが、それ以上に氏のメッセージが重荷に感じたことが不思議でした。

 

表題にある「置かれた場所で咲きなさい」については以下のように書かれています。

「咲くということは、仕方がないと諦めるのではなく、笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることなのです」と続いた詩は、「置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです」と告げるものでした。

置かれたところで自分らしく生きていれば、必ず「見守ってくださる方がいる」という安心感が、波立つ心を鎮めてくれるのです。(p3)

つまり、自分の”いま”に不満を持っている場合であっても、心を穏やかにし、まずは自分の場所で幸せをみつけるべきだと仰られています。

 

確かに、「周囲に不満を持つ前に自分を変える」という考え方には同意します。 

でも、おちこんでるときにはこの考え方、超・危険です。

 

精神的に落ち込んでいる人間にとっては「今の場所に適合できない自分はダメな奴だ。もっと頑張らなければ」となり、かえって自分を追い詰める結果になる可能性もあるんじゃない?

…と思っていたら、ネット上には同じ意見の方もいらっしゃいました。

www.ikedahayato.com

 

咲きにくければ土地を変えてもいいと思う

極端な例かもしれませんが、ブラック企業やDVなど、自分にとって過酷でしかない条件のもとにいる場合は、速やかにそこから逃げるべきです。

 

この「置かれた場所」が、自分にとってメリットのある場所であるかどうか、きちんと判断する必要があります。

「咲くということは、仕方がないと諦めることではありません。それは自分が笑顔で幸せに生き、周囲の人々も幸せにすることによって、神が、あなたをここにお植えになったのは間違いではなかったと、証明することなのです。」-p12

「置かれた場所で咲く」の最終ゴールは、自分と周囲の人々を幸せにすることです。

 

いくら美しい花であっても、土壌の性質がその植物の特性にあっていなければ枯れてしまいます。

自分の幸せに繋がらない場所でいくら根をおろしても、幸せにはなれません。なによりも、あなたを大切に思っている周囲の人々が悲しんでしまいます。

 

まあ、この例は本当に極端な場合であって、自分で選んだ場合だったり、今の居場所で何らかの幸せを感じながらも不平不満に取りつかれている場合には当てはまりません。

 

この本で学んだこと 『信仰を持つ人間は強い』

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画像:http://lpt.c.yimg.jp/ ↑インタビューに応じるシスター渡辺、笑顔が美しいです。

と、ここまで書きましたが、私が特に疑問に思ったのは表題のメッセージだけで、そのほかのメッセージについては同意しています。

 

たくさんの学生と向き合ってこられた渡辺氏の優しさ、聡明さが文章に滲んでいます。

とくに、晩年を精力的に過ごされただけあって、「老い」に関する考え方には多くの気づきを得られました。私も年を重ねた時に、美しい笑顔をたたえられる人になりたいものです。

 

しかしそれ以上に、

信仰を持っている人って強えー!!!

という気持ちになりました。

 

クリスチャンである渡辺氏の人生訓は、すべて「神」という存在を介したものになっています。先ほどの「置かれた場所で咲きなさい」についても

神が、あなたをここにお植えになったのは間違いではなかったと、証明することなのです。

という文面が登場します。

 

「神」という絶対的な存在が自分の行動を見守ってくれている。不満を持った時も、自分の場所で努力を続けていれば、その姿を「神」が見ていて下さる。だから、前を向ける。というロジック。

 

人生で大きな困難にぶつかった際も、「神」という第三者の存在を精神的な支柱とすることで自分の考えを改め、前向きに生きることが出来る。 

これってすごいことだと思います。

 

以前、佐藤優氏がご自身の著作で「信仰を持つ人間は信頼できる。なぜなら神の存在を信じることによって倫理的・道徳的な行動を重んじているから」といった文章を書かれていたことを思い出しました。

 

そんなキリスト教ヒューマニズム・生き方の強さを、この本からひしひしと感じます。

 

おわりに

色々書きましたが、渡辺氏の言葉にはやさしさが溢れていて、読了後は人生の先輩から教えを受けたような気持ちになりました。

 

ただ、各テーマごとの文章が短く、メッセージが散逸しているような構成になっている点は少し残念に感じます。内容が頭に残りにくく、何回か読み返しました。

 

しかし、自分の居場所で頑張りたい、幸せになりたいと願っている方にはお勧めです。自分の現状を見つめなおし、前向きになれるきっかけになることと思います。